シコリが出来やすい生活環境

循環が悪いー自律神経の不調

膝に限らず一般的にしこりが出来やすい人は、血液循環の悪い体質の人です。末梢の血液循環の悪い人を昔から漢方では「瘀血(おけつ)」と言い「血の道」とか「悪血」「汚血」などといいます。

瘀血は生まれつき遺伝された因子と後天的な生活環境の因子があります。

 血液の循環は自律神経が血管の収縮拡張をコントロールしているので、自律神経の働きの悪い人は瘀血になりやすいのです。自律神経は人類の長い進化の過程でできていったバイオリズムです。日の出とともに起きて活動し、日が暮れると休んでいた生活を何十万年もしていた人類は、ここ数十年の間に電気を発明して、夜更かしをしたり、夜間労働をして自律神経の働きを狂わせているのです。さらに、グロースホルモンは午後10時に分泌のピークになることがわかりました。昔から「寝る子は育つ」と言われていた言い伝えが証明されましたが、と同時にこのホルモンは癒しのホルモンと言われ体の修復もしてくれるのです。この時間帯に起きて活動していたのではグロースホルモンは働かないでしょう。

 自律神経は寒いときは末梢血管を収縮させて体熱を逃がさないようにし、熱い時は弛緩して放熱し体温を一定に保つように自動調整してくれます。この働きが悪いと、体温を一定に保つことが出来ず変温動物化し、夏は体温が上がりすぎて熱中症になったり、冬は低体温になって冷え性になったりします。低体温は免疫力を低下させます。自律神経の不調は夜更かしだけが原因ではなく、年中室温が一定にコントロールされた空調の部屋で過ごしていても自律神経の働きは低下するのです。夏の暑さや冬の寒さの中で過ごして抵抗力をつけた生活をしていた昔は、自律神経の働きの活発だったのでしょう。最近の子供たちが熱中症でばたばた倒れるのは生活環境が快適になったことが一つの要因ではないでしょうか。

 また、冷え性の人は末梢の毛細血管網の入り口にあるグロミュー血管の働きが悪いといわれています。(西医学)